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10月になりました。

 札幌の劇場では10/31から札幌劇場祭TGRも始まることもあり、ますます演劇のフライヤーが盛んに配られているようです。

 らてるね賞事務局では、今年に入って1月から可能な限り劇場を回り、フライヤーの収集をして参りました。
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 現在入手済みのフライヤーのうち、1月~7月に上演された作品のリストをご紹介します。

 このリストをご覧になった方で「あれ?あの芝居のフライヤーが入っていない」とか「こんな芝居のフライヤー持っているけど」という方がいらっしゃいましたら、コメントやメッセージ、メール(laterne@h-paf.ne.jp)などでお知らせくだされば幸いです。事務局員が手弁当で劇場を回り、収集しておりますので、どうしても漏れがあるのだと思います。

 公的でパブリックな賞ではありませんので、パーフェクトに全てを収集しようなどという野望は持っていませんが、折角素敵なチラシがあったのにノミネートできなかったと後でわかると、ちょっと残念な気もしますので、是非皆さんのご協力をお願いいたします。

(企画名 (初日の日付) 劇場、の順に記載しています)
1月
LONELY ACTOR PROJECT21 (1/3) BLOCH
劇団アトリエ「別れの戯曲」(1/10) レッドベリー
こどもオペレッタ「青い鳥」(1/10) 教文
赤レンガモダンダンス(1/11) 赤レンガ庁舎
札幌演劇シーズン2015冬(1/17)
 札幌座「ディヴィッド・コパフィールド」(1/17) サンピアザ
 イナダ組「カメヤ演芸場物語」(1/22) コンカリーニョ
 新劇場「木に花咲く」(1/22) ZOO
 千年王国「ローザ・ルクセンブルク」(1/31) サンピアザ
 札幌座「蟹と彼女と隣の日本人」(2/6) ZOO

2月
中高生育成「夏の夜の夢」(2/1) やまびこ座
雪の国のアリス(2/5) 雪まつり会場
北海道戯曲賞リーディング(2/12) かでる
砂川市民劇団「穴に集えば」(北の元気舞台)(2/14)釧路市民会館
北海道コンテポラリーダンスエキシビジョン(2/14)サンピアザ
劇団川「凍原の風」(北の元気舞台)(2/15)かでる
ダンス「男香る」(2/15) 赤レンガ庁舎
しろちゃん「恋する右脳の冒険」(2/21) BLOCH
札幌座「芝居」(2/25) ZOO
劇団アトリエ「メシアの蟻地獄」(2/26) BLOCH
温故知新「琴似☆八軒 70’sグラフィティ」(2/28) コンカリーニョ
劇団ELEMENTs「絶対的45分」(2/28) エフ
劇団Kiss’s「すわん」(2/28) やまびこ座

3月
鳥坊主「ジロトマッテル」(3/1) 赤レンガ庁舎
イナダ組「わりと激しくゆっくりと」(3/4) コンカリーニョ
パインソー「NamuH」(3/5) BLOCH
総合芸術ユニットえん「トランス」(3/7) ZOO
MAM「月ノツカイ」(3/11) ZOO
沢則行「OKHOTSK」(3/14) 教文
北の元気舞台「僕のみつけた地球」(3/15)コンカリーニョ
Yhs「テッペンパレード」(3/19) 教文
やまびこ座「空家珈琲とぽぽ」(3/20) やまびこ座
弦巻演劇講座WS公演(3/21) ZOO
高校演劇「伊達緑丘高校vs厚別高校」(3/27) サンピアザ
北極星の見つけ方(3/28) ポルトホール

4月
遊戯祭15「手塚治虫に告ぐ」(4/25) コンカリーニョ
ラボチプロデュース「人の気も知らないで」(4/25) ZOO

5月
こぐま座「新アイヌラックル伝」(5/2) やまびこ座
教文13丁目笑劇「君こそスターだ」(5/3) 教文
ハムプロ「GOTCHA」(5/5) コンカリーニョ
札幌座「36枚の声」(5/7) ZOO
エンプロプロデュース「聞き耳カフェ」(5/10)中の島のレストラン
NEXTAGE「LaundryRoom」(5/19) BLOCH
ライトマン「KAN-KAN」(5/22) 曙アートコミュニティ
北翔舞台芸術「民衆の敵」(5/23)ポルトホール
劇団HeyHey「宇宙護衛艦ヤマトナデシコ」(5/30) PATOS

6月
劇団しろちゃん「ゼツタイリョウイキ」(6/5) 北大大講堂
テツとてっちジャン(6/5) PATOS
シアターラグ「山がある」(6/10) ラグリグラ
アトリエ「半神」(6/12) ZOO
INDEPENDENT SPR15 (6/13) コンカリーニョ
きりがたりシアター「お鶴と与一」(6/20) やまびこ座
即興組合「シアタースポーツ」(6/20) エフ
札幌座「ルル」(6/25) ZOO
FAP'S企画「福田恒存」(6/26) PATOS
LONELY ACTOR PROJECT22(6/26) BLOCH
新劇場「月夜の道化師」(6/26) やまびこ座
えこぼっと「民話劇場」(6/28) ちえりあ

7月
怪獣無法地帯「10才児」(7/10) PATOS
ビジュアルアーツ「みなSummer!お待たせ」(7/10) コンカリーニョ
Yhs「WORLD IS MINE」(7/17) コンカリーニョ
マキニウム「約30の嘘」(7/18) Mk-BOO
清水企画「たぬき」(7/19) オノベカ
鳥坊主「じろとまってる」(7/19) ども
木製ボイジャー「しろいし」(7/19) ポプラ活動センター
イナダ組「Oi」(7/23) コンカリーニョ
札幌演劇シーズン2015夏(7/24)
教文演フェス「エン」(7/25) 教文
劇団ジプシー「3本立て」(7/25) PATOS
パインソー「Flipping」(演劇シーズン)(7/25) BLOCH
アトリエ演劇塾「にっちさっち」(7/26) ZOO
コント三笠「悲しみ乗り越えたら」(7/29) PATOS
ドラマシアターども「カゲボウシ」(7/31) ども

(主催者、タイトル、劇場名など一部省略させて頂いております。ご了承ください)

以上のフライヤーを収集しています。お気づきの点がありましたらご協力お願いいたします。

8月以降の公演作品についても収集が進んでおりますので、おってここでご報告させて頂く予定です。



折り込み作業。

 演劇シーズンも終盤戦。昨日始まった札幌座の「ブレーメンの自由」を観にいらしたお客さんに手渡すチラシの折り込みがシアターZOOのロビーで行われていました。演劇シーズンも回を重ねるごとに定着してきたようで、集まるチラシの数も普段より多い気がします。
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 チラシを渡したい人たちが集まって、順番にチラシを重ねてぐるぐる回っています。狭いロビーに人が沢山いたので物凄い暑さでしたが、皆さん汗だくで黙々と作業を続けていました。私もつい手伝ってしまいました。1時間半ほどの作業だったと思います。

 25年ほど前、私も毎回この作業をやっていましたが、いつも「もっと効率のいい方法は無いのだろうか?」と考え、様々な方法を試みたものでした。折り込み作業の場所の広さや、集まる人数、チラシの数に応じて様々なやり方が試されてきたんだと思います。それでも札幌では相変わらずこの方法が続いているようです。「関西方式」とか「関東方式」とか、人がぐるぐる回るのか、人が動かずにチラシが次々に手渡されて行くのか、地域によって様々な方法や流儀があるようです。
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 新聞販売店では折り込みの機械があったりもするようですが、劇場にそんな機械を導入しても採算が合うはずもなく、こうした人海戦術が続くのです。

 こういう地味な作業を経て、お客さんたちにチラシの束が届くのです。一枚一枚しっかりとご覧ください。

「チラシステージ」というアプリ

先日、劇場でこんなチラシを見つけました。
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「チラシステージ」
<演劇・ミュージカル・歌舞伎・ダンス・オペラ・バレエのチラシをいつでもまるごと持ち歩けちゃう神アプリ>とのこと。スマートフォンにアプリを入れるとここに登録してあるチラシをいつでも見れたり、チケットの予約もできてしまうようです。
 早速私の電話にもインストールしてみました。北海道の舞台のチラシがまだあまり登録されていないようですが、札幌の公演をいくつか、既に観ることができました。東京のチラシは随分これで見られます。これは便利かもしれませんね。
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 今後札幌の公演のチラシも、こういう所で紹介されるのだと思います。(札幌座の「空知る夏の幻想曲」のチラシは早速登録されていました)

 らてるね賞では、こういう便利なWeb上のデータも収集していますが、やはり、紙媒体としての演劇の広告宣伝美術という部分にこだわっていまして、デザイナーが紙の重さや、紙質などにも拘り、印刷した色の乗り方や発色にこだわっている部分にも着目したいと考えていますので、可能な限り印刷された現物の収集を頑張って続けているのです。

 札幌以外の地域でも、演劇公演が行われています。それら全てを収集するのは現実的に困難です。しかし、各地に協力してくださる方を募って、札幌以外の町での演劇公演のチラシの収集も可能な限り行いたいと考えています。

 道内各地の劇団の皆さん、公共ホールの担当者の皆さん、あるいは演劇ファンの皆さん、是非収集にご協力ください。事務局にメールで連絡をくださるか、このページにコメントを下されば、返信用封筒を送らせて頂きますので、全道各地の演劇のビラをお寄せ下さい。お願いいたします。

折り込み

 昨日、シアターZOOで実験演劇集団 風蝕異人街の演劇シーズン参加作品「青森県のせむし男」を観に来たお客さんに手渡すチラシの折り込み作業が行われていました。既に全ステージの前売り券が完売しているという話題作品の折り込みということで、沢山のチラシが集まっていました。
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 演劇公演の初日前にどこの劇場でも見られる風景です。最近東京の劇場では折り込みを専門にやってくれる業者がいて、札幌の劇団が東京公演する時などは、印刷と折り込みをセットでやってくれる業者にお金を払って頼んだりしていますが、札幌では相変わらず、こうしてそれぞれの劇団がチラシを持ち寄り一枚一枚順番に重ねて、お客さん一人一人に手渡すチラシの束を作っています。

 今、札幌市内の劇場界隈でどうしても目にして、つい手に取ってしまうチラシがあります。演劇のチラシではないのですが、私がつい手にして見入ってしまうチラシがこれです。
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 力のあるデザインだと思います。全面写真ですので、写真の力なのか、企画の力なのか、裏面も素敵です。
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 活動が始まって10年になる「君の椅子プロジェクト」の展示会のチラシです。
詳しくは
https://www.asahikawa-u.ac.jp/post-150609-4324/
をご覧ください。このページでチラシの表と裏の全面の詳細がご覧になれます。

演劇のチラシも負けずに頑張りましょう。

ショック!

 間違えました。何度も校正したつもりだったのですが、配布を開始したばかりのらてるね賞の告知ですが、2013年の特別功労賞受賞者の若林瑞沙さんの所属先が「studio COPAIN」なのに「CPAIN」となってしまっています。
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 申し訳ありません。訂正しようもないのでこのまま配布を続けさせて頂きます。デザインしたのも本人ですし・・・すいません。

 こういう問題がいつも起きてしまいます。心して校正しなければなりませんね。昔々「全席自由」と書くべきところが、印刷が仕上がってみると「前席自由」となっていたこともありました。笑えないミスも結構あります。そんなエピソードなどもこのページにコメントでお寄せください。

 がんばります。

らてるね賞告知、配布開始。

 昨日札幌で開幕した、札幌演劇シーズン2015夏の劇場で、らてるね賞の告知フライヤーの配布を開始しました。
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 賞の趣旨、選考方法、過去の授賞作品についてなど、賞の成り立ちとこれまでのことをA4一枚にまとめたものです。第2回らてるね賞で特別功労賞を受賞し、実行委員にもなってくれているデザイナー若林瑞沙(studio COPAIN)がデザインしてくれました。今後、札幌市内の劇場やギャラリーで入手することが出来るはずですので、ぜひお手に取ってご覧ください。

 フライヤーの一番下にこんな告知もございます。
<これまで伏島さんがご自身のポケットマネーで続けて来られた「らてるね賞」ですが、今後実行委員会で支援者を個人的に募り継続して行こうと考えています。現在、一口 2,000円で、このささやかな賞を支えてくださる方を密かに募集しています。この実に控え目で小さくささやかで上品な告知にお気づきの方で、お金の面でご協力くださる方がいらっしゃいましたら、らてるね賞実行委員会事務局まで、メールでご連絡ください。お願い申し上げます。>

よろしくお願いいたします。

仙台の演劇宣伝美術の賞。

仙台にも演劇の宣伝美術に関する賞があるようです。
「仙台演劇カレンダー」というサイトの企画で「フライヤーセレクション2014」というものがありました。

http://sencale.com/fs2014%E7%B5%90%E6%9E%9C%E7%99%BA%E8%A1%A8/

 北海道に産まれたばかりの「らてるね賞」はこうした他地域の取り組みがとても参考になるはずです。こちらは参加型の企画だったようですね。第一位を獲得した「舞台活動団体何応」step.3『ブンナよ、木からおりてこい』はかなり力のあるデザインでさすが第一位ですね。
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これまでの「らてるね賞」のご紹介を続けて来ましたが、そろそろ、これからの「らてるね賞」に向けた投稿を徐々に開始して行きたいと思いますので、よろしくお付き合いください。

2014年の第3回らてるね賞大賞 星雅也さん(その2)

昨年の大賞受賞者、星雅也さんのインタビュー第2弾です。

Q:3
演劇の宣伝美術を始めたきっかけは?
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 知人の紹介で、プラズマニア谷口氏と出会ったのがきっかけですね。

 勤めていた会社で宣伝美術の仕事を側で見ていた経緯もあったため無関心からのスタートではありませんでした。ただ、初めて演劇に関わる方と生で話した経験はとても刺激的であったのを覚えています。


Q:4
受賞作の他にどんなお仕事をなさってますか?
 + + + + + + + + + + + +
 最も印象深い出来事ですが、宣伝美術に携わって間もない頃、プラズマニアの「スプレドッグ」というお話のフライヤー制作をしたのですが、そのフライヤーで描いた犬のイラストをモチーフに、お客様がケーキを作ってくれたことがありました。


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 長いお付き合いの中で、第10回公演や新しい劇団の立ち上げなど、節目節目で特別な感情を共有しながら制作させていただいています。













Q:5
演劇の宣伝美術の難しさとか、心がけていることとは何ですか?
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 難しさであり、心がけている点としては、数あるフライヤーの中で目を留めて、手に取っていただくことと、お客様に舞台の内容を想像させることを意識しています。このようなWebページで、さまざまな作品を見れることに期待しています。
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星さん、お忙しい中、ご協力ありがとうございました。今年も期待しています。

2014年の第3回らてるね賞大賞 星雅也さん(その1)

昨年の大賞受賞者を紹介します。

2014年の第3回らてるね賞大賞を受賞したのは星雅也さんです。
リリカル・バレット「レインコートとアンブレラ」
デザイナー/星雅也さん
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その星さんが、インタビューに応えてくれました。

Q:1
「らてるね賞を受賞した」と聞いて、どんな事を思いましたか?応募した動機やきっかけを教えてください。
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 普段のお仕事でお客様に喜んでいただけたときとは、また違う感動がありました。自分で応募していないので動機といったものはありませんが、貴重な体験ができてとても嬉しく思います。いつもと違う形で劇団に喜んでもらえたことが嬉しかったです。もちろん、賞をいただけたことはこれからの制作活動の励みになります。
 
Q:2
今回受賞した作品は、どういう構想でしたか?アイデアの源や、難しかった事や、何かエピソードを
 + + + + + + + + + + + +
 脚本の内容を聞いてすぐに想像したのは、冷たく鉛のように重い雨とコンビニで売ってる安いビニール傘の寂しげな姿でした。難しかった点は、パステルを使って描いたのですが、下地に使う紙の種類で迷った点です。これでいこう!と決めたときは机も手もパステルだらけの惨状になっていました(笑)
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審査員の講評も紹介させて頂きます。
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従来の フライヤーイメージとは対極にあり、右から左へ斜めに走る雨模様が新鮮。シンプルさの中にグラフィックの力量を感じさせる(磯田憲一)

詩情ゆたかなフライヤーから、まさにリリカルなドラマの展開が暗示され、思わず手に取って読んでしまう(下村憲一)

ダークな色調とシンプルなデザインは秀逸。文字フォントやアルファベットのみに難(横山憲治)

演劇チラシとしての斬新さが目を引く。デザインセンスも抜群!(根子俊彦)

本の装丁に使いたいほど、リリカルで素敵なデザイン。文字に対する心配りにも、センスの良さが現れている(和田由美)

用紙を横向きに用い、傘を画面左端で切り取ることによって、空間的な広がりを生み出した。その一方で、表層を斜線で覆い尽くし、その色調を暗く押さえることによって、奥行きを見通せなくした。それによって、一種の空虚感や不安感を表すことに成功している。ただ、デザイン性が優先され、劇のタイトル、講演の場所、日時等、演劇のチラシとしての情報への配慮に欠ける嫌いがある。すぐれたデザイン性と情報の掲載の仕方とは、決して矛盾するものではないので、今後いっそうそうしたことへの工夫がのぞまれる(北村清彦)
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<続く>

2014年 第3回らてるね賞で優秀賞を受賞した松崎修さんです。

 デザイナーとしてだけでなく、御自身でも作・演出をするなど、様々な演劇活動を展開している松崎さんにもインタビューを試みました。

Q:1
らてるね賞を受賞したと聞いた時のことをお聞かせください。
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 懲りずにフライヤー作ってて良かったなとしみじみ思いました。らてるね賞のことは以前から知っていました。いつか応募したいな、と思ったまま年月が過ぎていき、ついに昨年末、応募締め切り期日ギリギリでしたが、ようやく自分で応募しました。受賞できて本当に有難い限りです。

Q:2
受賞作はどういう構想・アイデアでデザインなさったんですか?
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 第7回さっぽろ学生演劇祭「超時空概論FRUITS BASKET」は自身の脚本・演出のものでしたので、頭の中にある脚本のラストシーンのイメージをなるだけそのまま表現したいと思い制作しました。写真はカメラマンの佐藤明日香さんにお願いして撮ってもらいました。さまざまな構図の写真の中から厳選し、ほぼ加工編集なしでそのままで使わせていただきました。
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 「未来」=少女、「過去」=老人、「フルーツバスケットの椅子」=二人の出会いを繋ぐもの、のイメージでなるべくシンプルにインパクトのあるものを目指しました。また、制作した頃、焼酎「いいちこ」の歴代ポスター集をよく見ていたので、その雰囲気や影響もどこかにあったような気がします。

 劇団・木製ボイジャー14号「empty」の場合は、新規劇団の旗揚げ公演フライヤーということで、とにかく人の目につくインパクトのあるもの、ドカン!と見れるものを意識して作りました。
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 こちらは、脚本・演出の鎌塚慎平さんや代表の前田透さんのとの話し合いの中で出たイメージ、「こうしたい!」というアイデアをいただき、自分の中で膨らませて制作しました。作品の中で「空っぽの人間」「記憶」が重要な要素だと思ったので、「空っぽの人間」=マネキン、「記憶」=つぎはぎのデータの断片たちというイメージで表現しました。つぎはぎの編集作業が、地味な作業で辛かった記憶があります。

Q:3
受賞作の他にも、これまで手掛けられた演劇宣伝美術作品があればご紹介ください。
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 いつも心がけていることは、『思わず冷蔵庫に貼りたくなるフライヤーを』です。
 デザイナーがどんなに思いを込めて頑張ってそのチラシをつくったとしても、フライヤーも所詮紙…。グシャグシャにされバッグ奥底で悲惨な姿で眠るか、一応クリアファイルに丁寧に入れられはするが、その後無残にも忘れ去られてしまうなど、その扱われ方は悲劇的宿命にあると思っています。いかにして捨てさせない要素を紙面上に作り出すか、残しておきたくなる”価値”をどこかに持たねば受け取った人の元で生き残れないと肝に銘じています。いつも「もし自分がこのフライヤー貰ったら、冷蔵庫に貼りたいか?」と自問自答して作ります。

Q:4
演劇宣伝のデザイン以外にも演劇の活動をなさっていると聞きました。ご自身の演劇活動についてお聞かせください。
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 宮崎県出身です。デザインを勉強したいと思い、札幌市立大学デザイン学部に入学しました。とはいえ、昔からデザイン系に興味があったということではなく、”なんとなくデザイン面白そうだったから”という理由で遠路はるばる来ました。
FRUITS BASKET」劇中.jpg デザインを勉強しに北海道に来たのですが、何を思ったか、”なんとなく目立ちたいから”という理由でパフォーマンス系なことを始めたいと思い演劇をすることにしました。(動機が不純すぎる…。)しかし、次第に演劇の面白さに気づき、演劇にのめり込んでいきます。デザインを勉強したくて北海道に来たはずなのに、演劇ばかりしている自分に矛盾を感じモヤモヤすることもありましたが、今ではデザインも演劇も根本的には変わらないところがあるなと感じ始め、どちらも楽しくやれています。

Q:5
演劇宣伝デザインを始められたきっかけは何でしたか?
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 あんまり覚えていないのですが、「演劇ばかりじゃなくてちゃんとデザインもしなきゃ!」と自分に言い聞かせるために始めたような気がします。

Q:6
北海道の演劇宣伝美術の現状について何かお感じになることがありますか?
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 これは自戒も含めてなのですが、北海道演劇界・札幌演劇界というものがあるとして、その界隈ではもはや十分に知られていることは、フライヤー裏面等で掲載されていないものが見受けられます。例えば、その劇団がどんな劇団なのか、過去の公演、作・演出の詳しいプロフィール、あらすじだけでなく今回の公演にはどんなチャレンジがあるのか等。フライヤーを手に取る人皆、その界に精通する人とは限らないので、演劇が初めての人にでも興味を持ってもらえるようなユニークな項目や構成を展開してもいいのではないかと思います。”お決まりの項目・展開”だけで構成されているものが多いような気がします。どのような人に、どのような情報を、どのように伝える必要があるか、今一度検討すべきかもしれません。また、”フライヤー冷蔵庫収集家”としては、もっともっと、いつまでも冷蔵庫に貼っておきたくなるフライヤーが増えればいいなと思います。

Q:7
今後の野望や展望、直近の予定などおありでしたら聞かせてください。
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今年の個人的活動テーマは「そもそも、”演劇”ってなんでしたっけ?」です。
 演劇の固定概念みたいなものを、後ろからやわらかく膝カックンするような取り組みをしたいと思っています。その一環として、今行っている活動として、まだ始めたばかりなのですが、みなみのげきじょう(https://www.facebook.com/southeater)という南区・真駒内地域で市街演劇をつくる取り組みがあります。ここでは、演劇に親しみのない人でも、演じることや物語を紡ぐことを、抵抗なく楽しく演劇に触れられるようなシステムの構築や企画をデザインしています。地域で演劇をつくることが、人々の日常を見つめ直すキッカケとして作用すればいいなと願って活動しています。
二人芝居ユニット・静と動のアーティストa.jpg 直近の予定だと、札幌演劇シーズン2015夏でintro「蒸発」(http://s-e-season.com/program/johatsu/index.html)に出演します。現在稽古中です。introはとても好きな作風なので、俳優として作品に参加できるのが楽しみです。
 そして今年11月には、自分が所属している「二人芝居ユニット・静と動」(http://saytodo.tumblr.com/)で劇場公演を行います。この公演は”参加型演劇”というコンセプトで、観客と一緒になって舞台を作っていくような公演を企画しています。

演劇膝カックン計画の集大成な作品になる予定ですので、ぜひ期待しててください。

Q:8
らてるね賞の今後に期待することや、このFacebookのページにどんなことを期待しますか?
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 Web上で、過去のフライヤーを一覧できるアーカイブができると嬉しいと思います。昔の北海道の演劇のチラシや劇団のロゴがどんなものだったのか時代を追いながら見てみたいです。また、宣伝美術の対象がチラシだけでなく、劇団や公演ロゴマークの「ロゴ部門」、公演予告編映像の「映像部門」、独特な宣伝企画を展開した公演には「企画部門」など、多種多様な部門がつくられるまで展開していくと面白いかなと思いました。
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 らてるね賞の「華やかなスポットライトに照らし出された舞台を下支えしているフライヤーのデザイナーに、ささやかにでも優しく灯りをかかげる」というコンセプトに深く共感しています。デザイナーは縁の下の力持ち、彼らを、時に厳しく暖かく、これからも照らしつづけていってください。ありがとうございました。